太郎山~奥日光の静かな頂は日光三社権現の信仰の山~ 


標高
太郎山 2,367.5m、小太郎山 2,328m、山王帽子山 2,077m
山域
尾瀬・日光
登山日
2008年10月31日(金)
歩程
登り3:00、下り2:50、合計 5:50
歩行距離
6.9km
標高差
640m
累積標高差
+948m、-948m
登山口
山王峠mapon
交通機関
 日光宇都宮道清滝ICから30km
登山コース
山王峠-0:55→山王帽子山-0:40→鞍部-0:55→小太郎山-0:30→太郎山-0:15→太郎山山頂下(昼食)-0:20→小太郎山-1:00→鞍部-0:30→ 山王帽子山-0:45→山王峠
コースmap
太郎山 登山コース

 

山行の記録

 山王峠~山王帽子山~小太郎山~太郎山

中禅寺湖の湖畔にそびえる男体山、その奥には女体山をはじめとして大真名子山、小真名子山などの山々が連なっています。これらの山は男体山と同じように山岳宗教の色を残す山で、山頂には石碑や石祠などが祀られています。

太郎山もそのような山の一つで、以前はハガタテ薙からの登山道を登る山としてガイドブックにも紹介されていた山です。しかし最近ではハガタテ薙が崩壊などで通行禁止になり、山王帽子山を経て登るコースか、新薙から登るコースが利用されていると言います。

日光宇都宮道路からまだ紅葉の名残が残っているいろは坂を超えると中禅寺湖。そろそろ秋も終りを告げる戦場ヶ原から道を右に折れ、林道を登っていくと登山口である山王峠にたどり着きました。

山王峠の登山口
笹とコメツガの登山道

山王峠の道端に車を止め、コメツガの林の中を登り始めます。日光の山々は笹とコメツガに覆われた山肌が特徴です。暗く展望のきかない登山道は山王帽子山を目指してジグザグに高度を上げて行きます。気温はかなり低くなっているようで、登山道は白い霜柱に覆われています。


山名表示 ※クリックすると山名を表示・非表示します。
太郎山から眺める男体山、大真名子山、小真名子山など日光の山

たどり着いた山王帽子山は木立に覆われた頂です。梢の先に日光の山が望めるものの展望は良くありません。低く垂れこめた雲の下に頭をのぞかせているのは奥白根の頂でしょうか。右手には温泉ヶ岳や於呂倶羅山などなじみの薄い山々が連なっているようですが雲の中にその姿を隠していました。

山王帽子山からコメツガと笹の登山道は鞍部を目指して150mほど下って行くことになります。たどり着いた鞍部からは小太郎山へと急な登りが始まります。コメツガの林の中まっすぐに登っていく登山道は、日光の山の奥深さを感じさせてくれるところです。

山王帽子山は展望に恵まれていません
登山道から見上げる小太郎山
登山道から見上げる太郎山
小太郎山への登りが続きます

急な登りに息を切らせながらたどり着いた頂は御料局の三角点がある小太郎山です。御料局は皇室の所有地を管理するため明治時代に置かれた宮内庁の組織です。この山頂の御料局三角点があるということはこの周辺も皇室の所有地であったのでしょう。

山頂からは広い展望を楽しむことができます。目の前には痩せた稜線の先に太郎山の頂、振り返ると寒々とした空の下に大きな男体山、その左手には大真名子山、小真名子山、女体山などの展望が広がっています。

小太郎山からは痩せた稜線を太郎山へ。右手がかなり切れ落ちた岩場は剣ヶ峰と言います。左手には巻き道がありましたが、この岩場は鎖などが欲しそうなところです。

展望が開ける小太郎山
痩せた稜線の先に剣ヶ峰の岩場
山頂直下のお花畑
お花畑の先に大真名子山

狭い尾根から再びコメツガの林の中を登って行きます。コメツガの梢の先に広がる小さな湿地は噴火口に跡で、お花畑と呼ばれていますがあまり花の数は多くないようです。やがて新薙からの道を合わせると太郎山の山頂です。


山名表示 ※クリックすると山名を表示・非表示します。
太郎山から眺める男体山、大真名子山、小真名子山など日光の山

小さな石祠が祀られた山頂は、山岳信仰の色を今に残すところです。真新しい太郎山神社は男体山、女峰山ともに日光三社権現に一つに数えられる社で、勝道上人以来1200年にわたり連綿と伝えられてきた日光修験道の霊域の一つと言います。この山頂も小太郎山と同じく展望に恵まれた頂で、正面には冬を思わせる冷たそうな空の下にそびえる男体山。その奥には中禅寺湖が鉛色の水をたたえていました。

痩せた剣ヶ峰の岩場
太郎山神社が祀られた太郎山の山頂
太郎山から眺める女峰山
太郎山から眺める男体山

山頂は今にも白いものが落ちてきそうな寒さです。山頂から少し下った笹原に腰をおろして昼食にしました。

 太郎山~山王帽子山~山王峠

帰りは車を停めた山王峠へと戻ることにします。このコースは小太郎山から山王帽子山へと登り返すことになるため、帰りといっても登り下りが必要なコースです。疲れ始めた足には山王帽子山への登り返しはかなりきついものがありました。

山頂周辺は晩秋の色を濃くしています
痩せた稜線を下って行きます

太郎山は静かな山、訪れる人も少ない山です。その理由はアプローチの悪さで、公共の交通機関ではなかなかその山頂に立つのは難しい山です。今回は平日の山行ということもありましたが、山の中では他のハイカーに会うこともありませんでした。目の前には大真名子山、小真名子山や栃木の名産、女峰の名前にも使われた女峰山があります。気候が良くなった時期に、これらの山にも足跡を残してみたいものです。

その他のコース・山行記録
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