根本山~信仰の歴史が残る根本沢からツツジに彩れた明るい頂へ~< 


標高
根本山 1,199m、十二山 1148m、熊鷹山 1,168.6m、丸岩岳 1,084m
山域
北関東
登山日
2008年5月22日(木)
歩程
合計6:35
歩行距離
13.2km
標高差
636m
累積標高差
+1,006m、-1,006m
登山口
三境林道分岐mapon
交通機関
 東北佐野ICから51km
登山コース
三境林道分岐-1:15→根本沢790m-1:00→根本神社へ1.5km-0:45→1,120m鞍部-0:15→行者山(逢ノ平)-0:15→根本山-1:05→熊鷹山-0:30→丸岩山-1:30→三境林道分岐
コースmap
根本山(根本沢コース)

 

山行の記録

 不死熊橋~根本沢

関東百名山にも名前を連ねる根本山はツツジの咲く山として有名です。また古くは根本山神社の信仰の山として多くの参詣の人々で賑わったと伝えられています。根本山までの街道に石灯ろう、丁石が今も残されており、かつての隆盛をしのばせていると言います。

登山口の不死熊橋からはいきなりトラロープの張られた斜面を登ります。ひと登りすると登山道は明るい新緑の林道跡を緩やかに登って行きます。しばらく登ると崩壊した斜面です。右手には中尾根に続くのでしょうか、斜面を登って行く薄い踏み跡もありました。根本沢に降りると、沢を右に左に渡渉を繰り返す沢沿いの道がはじまいます。前日までの雨を含んで沢はかなり水嵩を増しています。小さな滝や瀬が連続する沢には、ヤマクワガタやコンロンソウなどの花が咲いていますが、あまり花の種類は多くないようです。

登山口の不死熊橋
荒れた根本沢
苔むした丁目石
小さな滝が連続する根本沢

沢の途中には朽ちかけた橋も架かっていましたが、昨年の台風などの影響か登山道はかなり荒れているようです。道端にはかっての信仰の跡を残す丁目石や小さな石祠が祀られていました。ここの丁目石は山麓から神社に向かい、十丁目、九丁目・・・と次第に小さくなるように刻まれています。阿夫利神社でもまた武甲山でも、山麓から一丁目、二丁目と刻まれていったと記憶していますが、時代の違いによるものなのでしょうか。

道端で小休止をしたのち、渡渉を繰り返しながら根本沢を登って行きます。やがて登山道は右手の杉の大木の中を登って行く急な石段になります。たどり着いた分岐には苔むした石灯篭がありました。

苔むした石祠
古びた石柱も建っています
杉木立の中の石段
たどり着いた分岐点

 根本沢~行者山~根本山

道端で昼食ののち、すっかり枯れた沢を登って行きます。大きな岩や流木などが積み重なったかなり荒れた沢です。小さな滝を鉄梯子で登って行くところもあります。やがて根本神社奥ノ院へ向かう道を右に分けると、ふみ跡となった薄い道は稜線を目指して登る急坂になります。トラロープを頼りにしながら、枯葉に覆われた急坂に息を切らせると行者山の鞍部にたどり着きました。

若葉色に包まれた稜線で一休みしたのち行者山へ。短い鎖場をひと登りすると峰ノ平の案内板が建つ小さな頂にたどり着きました。明るい木立に覆われた山頂からは展望は期待できません。

行者山からは根本山へ。ヤマツツジやシロヤシオに彩られた若葉色の尾根道を登って行くと中尾根コースからの道を合わせる中尾根十字路です。ここから道を左に。雑木林に覆われた稜線を緩やかに登って行くと根本山の山頂にたどり着きました。山頂を示す朽ちかけた標柱が建っているものの、案内板もない山頂です。花の時期にはアカヤシオが咲くと言いますが、この時期はヤマツツジとシロヤシオが咲いているだけです。

荒れた沢を登って行きます
鉄梯子がかかる滝
苔むした石像
トラロープを頼りに急坂を登ります

小休止ののち雑木林の中の稜線を進むと、ふみ跡は次第に薄くなり、山頂の肩を下って行くようになると道は落ち葉の中に消えてしまいました。この道を下って行った足跡も残っていましたが道が違っているようです。下山ののち地図を調べると、木立に付けられた赤いテープから北西側に下って行く道が北部山岳縦走道路。ふみ跡は東沢入の沢に下って行く道のようです。

 根本山~十二山神社~十二山~熊鷹山~丸岩岳~不死熊橋

根本山から若葉色の尾根道を緩やかに下って行きます。シロヤシオやヤマツツジを愛でながら稜線を下って行くと 十二山神社にたどり着きました。境内はかなり広く、石の祠や朽ちかけた社が建っています。ここからは雑木林の中を緩やかに登る広い道が続いています。十二山神社の参詣道として整備された道のようで、根本山の荒れた道とは様変わりの道です。

展望が利かない行者山の山頂
木立に覆われた根本山の山頂
十二山神社
十二山の山頂

たどり着いた十二山は雑木林の中の通過点と言ったところで、木立に山頂を示す表示が打つ付けていましたが気を付けないと見落としてしまいそうなところです。

十二山からも明るい雑木林の中をたどる心地良い道が続いています。小さなこぶを越え、登り返した頂が熊鷹山。付近一帯はヤマツツジとシロヤシオが共演する花の山頂です。小さな木の展望塔の上に立つと視界が開けますが、春霞の中に溶け込んだ周囲の山々はその姿を見せてくれません。晴れていれば富士山も見えると言う頂きも、わずかに釈迦丸山などが霞の中にその姿を見せているだけでした。

熊鷹山直下の急な坂道を下ると、ふたたび若葉色の稜線をたどる登山道が続いています。地図には出ていないものの田沼に下って行く道が幾つか、右手には林道を通って梅田に下る道も分かれています。明るい尾根道をしばらく歩き、小さく登り返すと唐松の林の中の丸岩岳の山頂にたどり着きました。

熊鷹山への明るい道
ツツジに彩られた熊鷹山

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熊鷹山から眺める根本山、山頂はツツジに彩られています (PanoramaMakerで合成)
丸岩岳
林道をたどり不死熊橋へ

ここから左に折れる道は田沼へと下る道。右手の踏み跡をたどると林道に下ることができそうですがあまり人が入っていないようなふみ跡です。

小休止ののち、不安になりながら元来た道を少し戻り、薄いふみ跡を下り林道に出ました。あとは単調な林道を不死熊橋へ。長くなった日も陰り始めるころ、車を停めた三境林道分岐にたどりつきました。

山で出会った花たち

根本山はツツジの山です。この時期すでにアカヤシオは終わっていましたが、根本山周辺はヤマツツジやシロヤシオが若葉色の山肌に咲き乱れていました。

また熊鷹山の山頂一帯もツツジに覆われた明るい山頂です。ここも今はヤマツツジとシロヤシオの花盛り。ムラサキヤシオはすでに時期を過ぎていました。ツツジを愛でに熊鷹山岳を目指す人もいるようです。

 

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