鳴神山~カッコソウ、ヒメイワカガミの咲く山~ 


標高
鳴神山 979.7m
山域
北関東
登山日
2008年5月16日(金)
歩程
登り1:40、下り 1:30、合計3:10
歩行距離
4.0km
標高差
579m
累積標高差
+579m、-579m
登山口
御嶽神社mapon
交通機関
 東北道佐野藤岡ICから 41km
登山コース
登山口-0:45→小さな分岐点-0:35→水場付近-0:20→鳴神山山頂-1:30→登山口
コースmap
鳴神山 登山コース

 

山行の記録

 登山口~カッコソウ移植地

鳴神山は新花の百名山にイワタバコの咲く山と紹介されている山です。この山を有名にしたのはカッコソウやヒイラギソウ、ナルカミの名前にちなんだナルカミスミレの咲く山としても知られた山です。

東北自動車道の佐野藤岡インターから一般道へ、桐生から桐生川に沿った県道を走り登山口である御嶽神社へ。たどり着いた御嶽神社周辺は道路工事の最中で、少し下った道端に車を停め山頂を目指すことにしました。

登山口の御嶽神社からは杉林の中をたどる登山道が始まります。以前は舗装されていたところもあったようですが、昨年の台風の影響か登山道は流れ出した土砂でかなり荒れています。登山道わきには地元の小学校の生徒が描いたのか、「自然を守ろう・・・」などと書かれたポスターが貼られていました。中には宮崎の東国原知事の似顔付きで「自然をどぎゃんせんか・・・」というポスターも貼られていました。思いのほか変化のある登山道で、暗い杉林の中には大きな岩や不動滝と言う滝も架かっています。しばらく登った道端で今日最初の小休止です。

登山口の御嶽神社
不動滝(大滝)
杉林の中の大きな岩
しめ縄が張られた水場

小休止ののち、ふたたび荒れた道を登って行きます。途中にはコンクリートで舗装されている急な坂道もありました。暗い杉の林を登って行く登山道にはあまり目立つ花を見つけることはできません。それでもホウチャクソウや、ユキザサ、ヤマネコノメなどの花、エイザンスミレのような葉はナルカミスミレでしょうか。

やがて登山道はしめ縄が張られた大きな岩に下にたどり着きました。ここは水場、この山の山岳信仰の色を濃く残しているところのようで、岩の上には小さな不動明王の石像が祀られていました。登山道は枯れた沢の中を登って行きます。両側の山肌が迫るようになると山頂直下の稜線です。目の前の小さな縄張りはカッコウソウ(勝紅草)の移植地です。枯れ枝の中にピンクの花が10数株、盗掘などで僅かここだけに咲いているという絶滅危惧種に数えられる花と言います。

 カッコソウ移植地~鳴神山~登山口

稜線で大形山に向かう道を右に分けると御嶽神社の古びた社が祀れれています。鳴神山は、桐生岳と仁田山岳の小さな二つの頂からなる双耳峰です。ひと先ず右手の道を登り桐生岳の山頂に向かうことにしました。山頂直下は小さな岩場、岩場の上には白い花を付けたヒメイワカガミが咲いていました。

狛犬が睨む御嶽神社
桐生岳の山頂
桐生岳からの展望
ヤマツツジに彩られる桐生岳
ヤマツツジの稜線
木立の覆われた仁田山岳

山頂はヤマツツジの花が今を盛りに咲いています。ムラサキヤシオはすでに花に時期を過ぎていますが。朱色の花が新緑に中にひときわ鮮やかに咲いています。しかし晴れているものの春霞に覆われる山頂からの展望はいま一つ、目の前にそびえているはずの日光の山々もその姿を見せてくれません。

山頂で昼食ののち、仁田山岳の山頂を回って行くことにします。ヤマツツジに彩られる稜線を小さく登り返すと、石垣で囲まれた仁田山岳の山頂です。昔はここにも社が祀られていたのでしょうが、今は石垣の上に小さな石祠が祀られているだけです。

仁田山岳からは急な斜面を稜線上の分岐点へ。10年以上も昔にこの山を訪れた時はここから大形山を目指して稜線を歩いて行ったようです。帰路は暗い杉林の中を登山口の御岳神社まで。単調な1時間半の道のりです。

山で出会った花たち

鳴神山はナルカミスミレやカッコソウ、ヒイラギソウの咲く山として紹介されている山です。

ナルカミスミレはエイザンスミレの単葉種であるヒトツバエゾスミレの花が白いものとか。すでに花の時期は過ぎていたようで、登山道沿いには単葉のスミレの花を見つけることはできますがはたしてナルカミスミレか。この山にはヒイラギソウもあると言うことですが何処に咲いているのかは判らないようです。

移植地に咲いているカッコソウはサクラソウ科の花で、その美しさから盗掘に合い、一時は個体数で数十株にまで減少したと言います。地元に人に聞くと、この移植地の花もクローン技術で栽培されたものを移植したものと言っていました。一緒に登ってった藤岡の人の話では、「東部線が便利になってからは都会の人がたくさんのカッコソウを持っていった」と話していました。心ない人の盗掘が一つの品種を絶滅の危機に落とし込んでいるようです。

その他のコース・山行記録
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