西沢渓谷~七ツ釜五段ノ滝、三重ノ滝や貞泉ノ滝をめぐるハイキングコース~ 


標高
西沢渓谷(国師ヶ岳分岐)1,410m
山域
奥秩父
登山日
2007年8月19日(日)
歩程
合計3:35
歩行距離
8.3km
標高差
305m
累積標高差
+584m、-584m
登山口
西沢渓谷入口mapon
交通機関
 JR塩山駅、 山梨交通
登山コース
西沢渓谷入口 -0:50→ 三重ノ滝 -1:00→ 七ツ釜五段ノ滝 -0:15→ 国師ヶ岳分岐-0:50→ 旧森林軌道の途中 -0:30→ ネトリ橋 -0:10→ 西沢渓谷入口
コースmap
西沢渓谷 登山コース

 

西沢渓谷は日本の滝百選にも選ばれた七ツ釜五段ノ滝をはじめとし、三重ノ滝や貞泉ノ滝などと名付けられた滝や瀬、釜などが続く渓谷です。塩山と秩父を結ぶ雁坂トンネルに近いこともあって交通の便もよく、春のシャクナゲや紅葉の季節にはたくさんのハイカーが訪れるところです。8月のもっとも暑い季節の山歩きと言うことで涼を求める山行です。

山行の記録

 西沢渓谷入り口~七ツ釜五段ノ滝

塩山駅から山梨交通のバスで1時間ほど、たどり着いた西沢渓谷入り口から工事用の車両なども通るという広い遊歩道が始まります。

大きなトイレが建つネトリ橋の傍には地元のボランティアがコースなどの紹介をしていました。甲武信ヶ岳へと登って行く登山道を右に分けると西沢山荘です。山荘の傍には田部重治の文学碑が建っています。田部重治は明治生まれの英文学者で登山家。北アルプス、奥秩父などに足跡を残し多くの山岳紀行文などを残しています。国語の教科書にも「笛吹川を遡る」という紀行文が乗っていたと言いますが記憶にはありません。我々の学生のころの話ではなかったのかもしれません。

ここからは雑木林の中の道を二股つり橋へ。夏空に霞む鶏冠山を眺めながら揺れるつり橋を渡ると西沢渓谷の登山道が始まります。右手に分かれる道は東沢へと登って行く道で、崩壊のためか通行止めになっていました。涼しげな滝音が響く沢沿いの登山道を登って行きます。標高は1,100メートルをわずかに超えたほどしょうが、白い飛沫を上げる滝音が涼しさを運んでくれるようです。

三重ノ滝
白い飛沫を上げる瀬
人面洞
竜神ノ滝

ほどなく現れた滝は三重ノ滝。白い花崗岩を削るようにコバルトブルーの水が飛沫を上げています。滝そのものの落差はあまり高くないものの、三段になって落ちる滝はまさに絵になりそうな滝です。滝の傍からは鎖や手すりが張られた登山道が続いています。家族連れが多く利用しているのでしょうが、むしろ遊歩道のような良く整備された道です。

激しい流れで岩壁が削られた甌穴が人面洞です。岩壁の奥には人の顔が浮かんでいると言うのでしょうがそのように見えなくもないと言ったところです。

竜神ノ滝を越え少し登った所がこのコースのハイライトのひとつ貞泉ノ滝です。階段を下りて行くと白い水飛沫をあげて滝音をあたりに響かせながら落ちる滝をまじかに眺めることが出来ます。ここからも鎖の手すりが張られている遊歩道のような道を登って行きます。

貞泉ノ滝
母胎洞
カエル岩
方丈橋

やがて現れた母胎洞も甌穴の一つ。白い飛沫を上げる水の流れが岩壁を深く削り、青い水を湛えた岩穴といったところです。大きなカエル石を超えるとほどなく方丈橋です。この橋は老朽化が進んでいると言うことで一人づつ渡らなければならないと言います。

方丈橋からひと登りすると日本の滝百選にも選ばれた七ツ釜五段ノ滝です。白い飛沫を上げながら五段になって落ちる滝。その各々がコバルトブルーの水をたたえる滝壺を持っています。那智の大滝や華厳ノ滝と言ったスケールは感じられませんが、コバルトブルーの水をたたえる釜が白い岸の岩肌によく映えています。緑が濃い今の時期もさることですが、あたりを錦が飾る紅葉の時期はまた違った美しさを見せるようです。遊歩道から斜面に付けられた踏み跡をたどり滝壺近くに降りお弁当にしました。あたりは舞い上がる水しぶきが気温を下げるようで下界の暑さを忘れる別天地でした。

 七ツ釜五段ノ滝~西沢渓谷入り口

昼食の後、旧森林軌道跡という遊歩道をたどり西沢渓谷入り口へ戻ることにします。七ツ釜五段ノ滝から急な階段をしばらく登るとトイレが建った小さな広場です。目の前は木が生い茂っているため滝は見ることが出来ません。ここから登って行く山道は国師ヶ岳へと続いていると言います。あまり利用する人もいないようで、またかなりの時間がかかりそうです。

七ツ釜五段ノ滝
七ツ釜五段ノ滝
七ツ釜五段ノ滝
西沢渓谷山之神

小休止した後、トロッコが走っていたと言う道を緩やかに下っていきます。材木に切り出しや鉱石の運搬に使用されていた軌道のようで、昭和43年ごろまで馬に曳かせたトロッコが通っていたと言います。途中では転落事故も起こっていたようで案内板には「ひこいちゃんごろばし」などの地名が残っていました。

左手に鶏冠山の岩峰や木賊山の稜線が見えるようになるとネトリ橋は目の前です。途中から踏み跡の近道を下ると今朝ほど指導員が案内をしていたネトリ橋にたどり着きました。

ネトリ橋から遊歩道を下るとバス停のある東沢小屋です。山梨市に向かうバスが出発するところですが、あまり団体を乗せると途中で客を乗せられなくなるとかで断られてしまいました。塩山行きのバスが出るまでは50分ほどのバス待ちでした。

 

その他のコース・山行記録
TAG:乾徳山・西沢渓谷
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