釈迦ヶ岳~大峯奥駈道が通る山頂には釈迦像が祀られています~ 


標高
釈迦ヶ岳 1,799.6m
山域
近畿
登山日
2006年10月19日(木)
歩程
登り2:05、下り1:55、合計4:00
歩行距離
7.7km
標高差
497m
累積標高差
+537m、-537m
登山口
峠の登山口mapon
登山コース
峠の登山口 -1:20→ 古田ノ森 -0:45→ 釈迦ヶ岳 -1:55→ 峠の登山口
コースmap
釈迦ヶ岳 登山コース

 

紀伊の山懐に連なる大峯山は、七世紀に役行者が開いたと言われている修験道の聖地です。北は吉野から南は熊野まで、大峯奥駆道と呼ばれている修験の道が開かれています。大峯山は山上ヶ岳、大普賢岳、仏経ヶ岳、釈迦ヶ岳、大日岳などの峰々からなり、根本道場である山上ヶ岳は今でも女人禁制を守っているところです。

今回目指す釈迦ヶ岳は、大峯奥駆道に頭を持ち上げる1,800mの山で、日本200名山のひとつにも数えられている山です。奥駆道のほかにも、前鬼の伝説が今も残る前鬼からのコースが開かれています。今回利用する旭コースは奥の不動小屋谷林道を利用するもので、比較的簡単に山頂を目指すことが出来るとコースです。

山行の記録

 道の駅大塔~峠の登山口

旭の集落から国道168号線を離れ、狭い山道を奥吉野の発電所に向け走っていきます。発電所のある旭貯水池には川霧が立ち込め、湖岸の紅葉を写していました。もう少し紅葉が進むとまさに絵になる景色でしょう。しばらく進んだ道端でシカを見かけました。黒い毛に覆われた小鹿位の大きさは恐らくカモシカでしょう。鹿はよく見かけますがカモシカは初めてです。

ここからは狭い山道を登山口へと登って行きます。道が狭いだけでなく左手にはガードレールもなく、100mほど谷に向かって切れ落ちているところもある荒れた道です。所々には拳ほどの落石も転がっています。急なカーブを繰り返しながら高度を上げていくと不動小屋の登山口です。登山口の小さな標識が建っていますが道はまだ上まで続いているようです。ここから先は最近新たに付けられた道のようで、舗装された広い道が続いています。

たどり着いた峠にはすでに10台ほどの車が停まっています。ここが新たに付けられた峠の登山口で、真新しいトイレも建っていました。

峠の登山口には水洗のトイレも
草原のような雑木林を登って行きます
尾根出会い
明るい稜線の先に釈迦ヶ岳の山頂

 古田ノ森~釈迦ヶ岳山頂

リュックザックを肩に、木の階段を登ると登山道が始まります。針葉樹が混じった稜線をたどる道はそれほど急なところもない道ですが視界はあまり望めません。所々にはシャクナゲも生えているようですが、この時期登山道には目立った花も咲いていません。

やがて勾配も緩やかになってくると左手から不動小屋からの道を合わせる尾根出会い。ここからは草原のような明るい雑木林の中を緩やかに登って行く道が始まります。今年はあまり寒くならないためか紅葉は今ひとつ。カエデの葉も紅葉しないうちに葉先が枯れ始めています。緩やかに尾根道を登って行くと古田ノ森と言う小さなコブにたどり着きました。目の前には小高い釈迦ヶ岳の山頂、右手からは雲が巻き上がり山頂を包み始めています。右手は大日岳など大峰山の奥駆け道が続いていますがその頂は雲の中です。

古田ノ森の小さなピーク
左手には仏経ヶ岳の稜線
明るい稜線を緩やかに登って行きます
釈迦像が立つ釈迦ヶ岳の山頂

古田ノ森で一休みした後、小さなコブを幾つか越えると釈迦ヶ岳への登りが始まります。しばらく登ると小さな指導標がある千丈平らと言われる広場。ここからは山頂に向かって急な登りが始まります。急な登りに一汗を流すと右手に大日岳へと向かう道が分かれています。更にひと登りすると大きな釈迦像が建つ釈迦ヶ岳の山頂にたどり着きました。展望は広く開けているものの、正面に見えるはずの仏生ヶ岳や仏経ヶ岳は巻き上がる雲に見え隠れしています。


山名表示 ※クリックすると山名を表示・非表示します。
釈迦ヶ岳から眺める大峰山の峰々(PanoramaMakerで)

山頂で昼食している最中にも、たくさんの人が山頂に登ってきました。地元の人が多いようで「男の子が13歳になると山上ヶ岳に登るのが慣わし、この山にも若いとき何度も登った・・・」と話しは紀州の山の自慢です。暫くすると雲が晴れ渡り、目の前に仏生ヶ岳、その奥には仏経ヶ岳や弥山がその姿を見せてくれます。仏生ヶ岳の右斜面に立つ岩峰群は五百羅漢とか。この山は岩峰の多い山のようです。

七面山の山肌と雲の中の仏生ヶ嶽
仏生嶽に続く奥駆け道
孔雀岳の山肌には五百羅漢の岩峰
登山道かな眺める大日岳の岩峰

 釈迦ヶ岳山頂~峠の登山口

山頂での展望を楽しんだ後、登山口に戻ることにしました。登りもそれほど急ではなかった登山道は下りはいたって楽な物です。途中からは左手の奥駆け縦走路の峰々もその姿を見せてくれました。ひときわ切り立ってそびえる頂が大日岳。その山肌には石像のような大きな岩峰がそびえていました。

たどり着いた登山口からは旭の集落に戻ることにします。登山口にいた初老のハイカーは地元の人。色々紀州の山の話しをしてくれました。地元の人にとって大峰山は特別の存在のようです。未だに女人禁制を守りつづけている山上ヶ岳についても、地元の女性は肯定的な意見が多いとか、騒いでいるのは地元以外の人と言っていました。

その他のコース・山行記録
TAG:紀伊・鈴鹿
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