西吾妻山~たくさんの峰からなる吾妻山の最高峰~ 


標高
西吾妻山 2,035m、梵天岩 1,999m、人形石 1,943m
山域
東北
登山日
2005年9月1日(木)
歩程
登り1:40、下り2:05、合計3:45
歩行距離
6.1km
標高差
214m
累積標高差
354m、-354m
登山口
天元台ロープウェイ・リフト北展望台mapon
登山コース
北展望台-1:20→ 梵天岩 -0:20→ 西吾妻山 -0:15→ 西吾妻小屋 -1:15→ 人形石 -0:35→ 北展望台
コースmap
西吾妻山 登山コース

 

吾妻山は日本百名山の一つに数えられた山です。山形県と福島県の県境に位置し、深田久弥も「これほど漠然としてつかみどころのない山もあるまい」と述べているように。2,000メートル前後のなだらかな起伏の山を連ねる広大な山域です。多数の火山からなる山で、西吾妻山や中吾妻山はすでに侵食が進んでいる古い火山ですが、東端に位置する一切経山などは今も噴気活動が続いている火山です。

今回登った西吾妻山は吾妻山の西端に位置し、山腹に天元台スキー場が開けていることから、遅くまで春スキーを楽しむ若者でにぎわうところです。

山行の記録

 天元台~北展望台~かもしか展望台

天元台の大きな駐車場にはすでに数台の車が停まっていました。平日にもかかわらずかなりたくさんのハイカーが山頂を目指しているようです。

ロープウェイは数分で標高1,350mの天元台高原へ我々を運んでくれました。広く開けた天元台高原にはカラフルなペンションが建っています。スキーシーズンにはたくさんのスキー客で賑わう高原も今は人影も疎らです。ここからは、しらかばリフト、しゃくなげリフト、つがもりリフトを乗り継ぎ標高1,820mの北展望台へ。リフトの下には秋の野原を彩る花が咲いていました。

たどり着いた展望台は五名峰展望台と言われるところで、蔵王、朝日岳、飯豊山、月山、鳥海山の五名山を一望することができるところです。しかしよく晴れているものの、正面に見えるはずの月山や鳥海山も夏雲の中にその姿を隠していました。ここからはコメツガの林の中を登る登山道が始まります。しばらく見通しのきかない登りに汗を流すと広く開けたかもしか展望台にたどり着きました。

リフトの終点は北展望台
北展望台から眺める中大巓

 かもしか展望台~大凹~梵天岩

かもしか展望台からは中大巓の山頂を巻くように木道が続いています。しばらく木道を進むと人形石への分岐点。ここで道を右に折れ大凹と言われる鞍部に向かい下って行きます。この付近は雪が多いためか木道は所々で壊れています。大凹の右手の沢からは冷たい清水が湧き出していました。疲れた喉を潤すなかなか美味い水です。ここからは天狗岩に向かう急な登りが始まります。シラビソの林の中を登る急坂は大きな岩が登山道を覆い思いのほか歩き難い登りです。やがて視界が開けてくると大きな梵天岩が目の前にその姿を見せてくれました。

梵天岩の岩の上に立つと東側の視界が開け、夏雲の下に東吾妻山や一切経山、前大巓、家形山などの山々がその姿を見せてくれます。赤茶けた山肌を剥き出しにする一切経山は、1893年(明治26年)に水蒸気爆発を起こし、その後もたびたび噴火を繰り返している火山とか。まだその地底は熱い炎がくすぶっているようです。さらにその右手、中吾妻山の稜線の先には安達太良山の峰々が霞んでいました。

大凹から天狗岩に向かう登山道
梵天岩から降り返る中大巓のなだらかな山頂

 梵天岩~天狗岩~西吾妻山山頂

梵天岩からハイマツの稜線をしばらく進むと天狗岩です。岩がゴロゴロと転がる開けた広場といったところで、蓼科山の山頂を思い出させるところです。天狗岩からコメツガに覆われた稜線をしばらく歩くと、吾妻山の最高点である西吾妻山山頂にたどり着きました。コメツガの林に覆われた山頂には、日本百名山の標柱が立っているだけで視界はまったく望めません。

 西吾妻山山頂~西吾妻小屋

西吾妻山の山頂からは西吾妻小屋へ下ることにします。コメツガの林の間からは磐梯山や桧原湖、小野川湖など裏磐梯高原を展望することができます。更にしばらく下ると木道が敷かれた草原にたどり着きました。目の前には赤い屋根をした西吾妻小屋が建っています。この付近も夏の野山を彩る花に覆われるところと言いますが、今は目立った花も咲いていません。

小屋の前からは西大巓に向かう道が分かれています。近くで昼食をしていた中年のパーティの話ではここから西大巓までは近いようでも往復1時間以上。朝一番のロープウェイを利用しなければ西大巓への日帰りは無理と言います。

梵天岩から眺める東吾妻山
西吾妻小屋の前から眺める磐梯山

 西吾妻小屋~天狗岩~人形石~北展望台~天元台

西吾妻小屋の前で昼食の後、西吾妻山の山裾を巻くようにして天狗岩に戻ることとします。木道が続くなだらかな道は心地良いハイキングコース。たどり着いた天狗岩の傍らには吾妻神社の小さな祠が祭られていました。

天狗岩からは梵天岩を通り大凹へ。ここからは人形岩に向かって登り返すことになります。やがてなだらかな稜線にたどり着くと人形岩です。どこか木彫りのミミズクのような雰囲気の岩が立っています。先ほど西吾妻小屋で話をした中年のパーティも岩陰で小休止。話し好きの叔母さんが吾妻山について色々と教えてくれました。吾妻山は東北では数少ない2,000メートル峰、山好きな人の足はおのずとこの山域に集まるようで、西吾妻山から東吾妻山への縦走コースも人気があると言います。

人形岩からはコメツガの林の中を北展望台へ向かって下ることとします。大きな岩や木の根が煩い下り坂をおよそ30分。ここからは3本のリフトとロープウェイを乗り継いで車を停めた天元台の駐車場に戻りました。

Panorama
北展望台からは月山や鳥海山が見えます (カシミールで)
西吾妻山から眺める磐梯山 (カシミールで)
山で出会った花たち

大凹は遅くまで雪渓が残るところで、高山植物にも恵まれたところと言います。しかし、すでに夏の花の時期は過ぎているようで、目立つ花を見付けることは出来ません。それでも岩陰にはミヤマリンドウや秋の花であるエゾリンドウが咲いていました。

ミヤマリンドウ(大凹)
エゾリンドウ(大凹)

 

その他のコース・山行記録
TAG:西吾妻山
 訪問者数 今月:28件
 Back