那須朝日岳から三本槍岳~山頂に三本の槍を掲げたと言う伝説を今に伝える稜線~ 


標高
朝日岳 1,896m、三本槍岳 1,916.9m
山域
那須・塩原
登山日
1995年7月23日(日)
歩程
合計 4:15
歩行距離
9.6km
標高差
471m
累積標高差
788m、-788m
登山口
峠ノ茶屋mapon
交通機関
 東北道那須ICから21km
登山コース
峠ノ茶屋 -0:40→ 峰ノ茶屋 -0:40→ 朝日岳 -1:05→ 三本槍岳 -1:20→ 峰ノ茶屋 -0:30→ 峠ノ茶屋
コースmap
朝日岳から三本槍岳 登山コース

 

那須岳は火山の山です。那須火山帯の名前にも使われているように、東北を代表する活火山で、2,000メートルほどの標高を持つ複数の山から構成されています。北側にはすでに活動を終えた三本槍岳や朝日岳がそびえ、南側には現在も盛んに噴煙を上げる茶臼岳がそびえています。茶臼岳は山頂直下までロープウェイが運行されているため、手軽に登れるハイキングの山です。我々もロープウェイを利用して茶臼岳の山頂に立ったことがありますが、山頂は低い雲の中で早々に引き返した記憶が残っています。

今日は、峠ノ茶屋から峰ノ茶屋跡に登り、急峻な岩壁をめぐらせた朝日岳と、明るいなだらかな山頂の三本槍岳への静かな尾根道を訪ねてみました。

東北自動車道の那須インターから一般道に降りると、道はすでに渋滞が始まっていました。九尾の狐伝説を今に伝える殺生石を左手に眺めながら観光道路を登っていきます。ようやくたどり着いた峠ノ茶屋の駐車場もたくさんの車で溢れていました。仕方なく路肩に車を停め山頂を目指すことにします。

山行の記録

 峰ノ茶屋~朝日岳

朝日岳から眺める茶臼岳

峠ノ茶屋からはダケカンバの林の中を、峰ノ茶屋を目指し緩やかに登り始めます。右手には赤錆色の山肌を見せる朝日岳。左手には白い噴煙を上げる茶臼山が真っ青に晴れ渡った青空の下にそびえています。山頂からはたくさんの家族連れや、学生の団体が降りて来ます。ロープウェイを利用し茶臼岳の山頂から降りてきたのでしょう。やがて登山道は茶臼岳の山腹をたどる石のゴロゴロとした明るい道になります。今年は早々と梅雨も開け、東京では連日30度を越える猛暑が続いています。今日も気温はかなり上がっていますが、吹き抜ける強い風で汗もすぐ乾いてしまいます。

たどり着いた峰ノ茶屋には朽ち果てた山小屋が一つ。峠を吹き渡る風は火照った肌には心地好いものです。峰ノ茶やからは右手の尾根道を登り朝日岳の山頂を目指すこととします。左手に三斗小屋温泉への道を分け、明るい尾根道を登って行きます。途中、鎖場や左手が切れ落ちている露岩帯もありますが、ほどなく朝日岳への分岐点にたどり着きました。朝日岳の山頂は、露岩帯の尾根道を緩やかに登った所にあります。

たどり着いた山頂では、晴れ渡った空の下に広がる大きな展望が我々を迎えてくれます。正面には白い噴煙を勢い良く吹き上げる茶臼岳。振り返ると熊見曽根の稜線とその奥に広がるなだらかな三本槍岳。その間には湿原の中に木道が通る清水平が広がっています。今も盛んに活動を続ける茶臼山と、緑の灌木が山頂を覆うなだらかな三本槍岳は、動と静の奇妙な世界を造り出しているようです。

 朝日岳~熊見曽根~清水平~三本槍岳

登山道から眺める朝日岳の赤茶けた山肌

朝日岳からは、熊見曽根の尾根道をたどり清水平へと向かうこととします。急な坂道を下ると木道が続く小さな清水平。ここからはササやシャクナゲなどの灌木の中を緩やかに登り返すことになります。しばらく登と、赤面山、那須温泉へと続く道を右に分けます。一度小さな按部に下り緩やかに登り返すと三本槍岳の山頂にたどり着きました。ここからの展望もまた素晴らしく、左手には流石山から大倉山へと続く尾根道。振り返ると茶臼岳の右手に沼原湿原が青い水をたたえています。この湿原にはノハナジョウブ、ニッコウキスゲ、サワギキョウなどが咲き乱れるお花畑があると言います。

 三本槍岳~峠ノ茶屋

山頂での展望を楽しんだ後、往路をたどり峠ノ茶屋へ戻ることとします。清水平から熊見曽根へと登る急坂にひと汗を流し、正面に白い噴煙を上げる茶臼山を眺めながら、尾根道を下って行くと峰ノ茶屋跡。ここから道を左に取り、石の多い登山道を下って行くと、車を止めた峠ノ茶屋にたどり着きました。

まだ7月というこの時期、峠ノ茶屋付近にはトンボがたくさん飛んでいました。夏はトンボも暑さを避け、高い山で過ごすと言います。トンボもこれほど多くなると気味が悪くなりそうです。

その他のコース・山行記録
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