小楢山~富士山を展望する頂から父恋し路を下って~ 


標高
小楢山 1,712.5m
山域
中央線沿線
登山日
1990年10月27日(土)
歩程
合計 5:00
歩行距離
9.9km
標高差
186m
累積標高差
325m、-1,327m
登山口
焼山峠mapon
交通機関
 JR中央本線塩山駅、 タクシー
登山コース
焼山峠 -1:15→ 小楢山 -0:30→ 幕岩 -1:15→ 父恋し母恋し分岐点 -1:00→ 巨峰の丘 -1:00→ 窪平バス停
コースmap
小楢山 登山コース

 

塩山から甲府に向かう中央線の車窓から、翼を広げるようして頭を持ち上げる頂がそびえています。向かって右いが小楢山、左が幕岩です。富士山や南アルプスの好展望台として知られた山ですが、交通の便が良くないことから訪れる人も少ない、静かな山歩きが楽しめる山です。

中央本線の特急あずさを利用して塩山駅へ。 秋の好天に恵まれ降り立った塩山駅のタクシー乗り場は、すでにたくさんの人の列です。タクシーは西沢渓谷に向かう国道140号線を窪平から左に折れ、焼山峠へと登って行きます。この付近は巨峰の丘と呼ばれるところで、道の両側にはたくさんのブトウ棚が続いています。塩平からは焼山林道をジグザグに登って行きます。両側の木々は落葉樹となり、峠に近付くではすでに紅葉も始まっています。たどり着いた焼山峠は、広い峠で登山道の側には十数体のお地蔵さんが祭られていました。

山行の記録

 焼山峠~小楢山~幕岩

小楢山の山頂から眺める富士山

焼山峠からは広い防火帯の中に付けられた登山道を登り始めます。道の両側にはすでに黄色に色付いた落葉松の林が続き、道を覆うカヤトの銀色の穂は秋の盛りを感じさせてくれます。幾つかの小さなコブ超えると、道は二手に分かれています。いずれの道を登っても山頂へは向かうようですが、我々は左手の急な道を登ることにしました。

しばらくすると展望も開け、ふり返る柳平の開墾地の奥に北奥千丈岳など、奥秩父再深部の山々がその姿を現わしてくれます。

登山道を緩やかに登ると暗い林の中に湧き出す一杯水です。水量は乏しく竹のコップが置いてはあるものの、あまり飲む気にはなれません。一杯水からは、両側の木も潅木に代わり、しばらくの登りで小楢山の山頂に飛び出しました。

山頂は錫杖ヶ原という草原で、ナデシコ、アキノキリンソウなどの花が咲くと言います時期が外れているためか、わずかに折れかけたマツムシソウとオヤマノリンドウを見付けることが出来ただけです。山頂の南側からは広い展望が開け、白い雪を被った富士山が真っ青な秋空をバックにそびえ立っています。このようにクッキリと見える富士山は久しぶりです。

山頂から右手の道を小楢峠まで下ることにします。小楢峠には消えかけた指導標がありますが、あまりはっきりしない峠です。ここから左手に下って行く道は母恋し道。我々は右手の幕岩に向かった後、父恋し道をたどり中牧に下ることにしました。しばらく進む左手に長いクサリのある黎明岩。岩を巻いて登り詰めた岩峰が幕岩です。ここからは360度の大展望が眼を楽しませてくれます。南側には三ツ峠山など御坂山塊の山々とその上に雲を被った富士山。西側には青く霞んだ南アルプスの山々が続いています。ひときわ白く雪を被り輝いているのは鳳凰三山と甲斐駒ヶ岳。振り返る北側には今下ってきたなだらかな山頂を持つ小楢山とその上に見える金峰山。東側には岩だらけの山頂を持つ乾徳山とその右手に大菩薩嶺を始めとする小金沢連嶺の山並み。見飽きることの無い展望です。

 父恋し道~巨峰の丘~窪平

幕岩から眺める南アルプスの山々

幕岩からは父恋し道をたどり豊原開墾地へと下ることにします。父恋し道は踏み跡もはっきりせず、ほとんど廃道に近い道です。幕岩からの降り口さえも白いテープが目印となるだけで、もちろん指導標もありません。潅木が道を覆う荒れた道に苦闘しながら下って行くなかなか厳しい下りです。やがて道は大きな岩のところで二手に分かれます。我々は左手の道をとり母恋し道への分岐点に向かうこととしました。右手の道は旺文社の登山地図にはないものの、妙見山を通り洞雲寺または豊原開墾地に下る道のようです。アルペンガイドブックには右手の道も載っており、左手の道はかなり荒廃していると記していました。

荒れた道を下っていくとやがて母恋し道の分岐点です。ここから豊原の開墾地まで、清水窪に沿った山道を下って行きます。しばらく下ると道は舗装された農道に変わり、道の両側にはブドウ棚が並ぶようになってきます。この付近一帯を巨峰の丘と言うようです。右も左もブドウ棚が続いている道は仕事道が入り組み、非常に解り難い道です。ようやくたどり着いた仲牧入口のバス停は40分も待ち時間があるとか。仕方なく窪平のバス停まで下り西沢渓谷からのバスを待つことにします。

その他のコース・山行記録
TAG:乾徳山・西沢渓谷
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