建長寺は鎌倉五山第一位の臨済宗建長寺派の大本山です。北条時頼が建長五年(1253)、宗から来日していた高僧・蘭渓道隆を招いて建立したわが国最初の禅寺です。
創建当時の伽藍配置は、総門、三門、仏殿、法堂などの建物が中軸上に並ぶ中国禅宗様式の伽藍配置になっており49の塔頭を擁する荘厳なものでした。その後起こった数度の火災でその多くが焼失してしまいましたが江戸時代に入り沢庵和尚の進言で再建が行われました。
総門を入ると参道に壮大な山門、三解脱門とも呼ばれ山門をくぐることであらゆる執着から解き放たれることを意味します。楼上には釈迦如来、十六羅漢、五百羅漢を安置しています。江戸時代安永4年(1775年)の再建と言います。
山門をくぐると樹高13メートルと言う大きな柏槇がそびえています。樹齢は推定760年、開山禅師の御手植えと言われ創建当時の建長寺の姿を見てきた古木と言います。
その奥には本尊の地蔵菩薩を祀る仏殿です。国の重要文化財にもなっており現在の建物は4代目、芝増上寺にあった徳川秀忠公夫人の御霊屋を譲り受けたものとされています。
仏殿の奥には海東法窟の扁額が掲げられる法堂があります。宋から海を渡って仏法が伝えられたことを意味すると言います。現在の建物は文化11年(1814年)の再建と言い関東最大の法堂と言います。法堂の中央には苦行菩薩像が祀られていました。
建長寺の梵鐘は円覚寺の梵鐘とともに国宝に指定された大釣鐘です。重さは2.7トン、関東の鋳物師筆頭の物部重光により建長7年(1255年)に鋳造されました。
方丈の前には国の重要文化財に指定された唐門があります。この唐門も芝増上寺にあった徳川秀忠公の夫人の御霊屋の門を移設したものと言います。
龍王殿には蘭渓道隆の作といわれる庭園があります。心字池を配した庭は初期の禅宗庭園の姿を今に伝えていると言います。